壊れそうなほど。
*****
今日は夕方6時からバンド練習。5時までスタンドのバイトして、いつもの坂を自転車で駆け上がって、ギターを取りに家に帰る。
12月の冷たい風が、働いて汗かいた体を芯から冷やしていく。早く熱いシャワー浴びたい。
アパートに着いたら、家のドアの前に沙奈がいてびっくりした。
「え、沙奈? なにしてんの?」
「待ってた」
「待ってた、って……」
これから練習で会うのに。夜だって一緒にいるのに。てか、今日めちゃくちゃ寒いのに。
「だって、早くユキに会いたくて」
可愛いことを言う赤いほっぺたに触ったら、その赤味とは反対にものすごく冷たかった。慌ててドアを開けて、中に招き入れる。
「……あのね、ちゃんと謝りに来たの」
シャワーを浴びに風呂場に向かう俺の背中に、沙奈の弱々しい声がかかった。
……だと思った。
今日は夕方6時からバンド練習。5時までスタンドのバイトして、いつもの坂を自転車で駆け上がって、ギターを取りに家に帰る。
12月の冷たい風が、働いて汗かいた体を芯から冷やしていく。早く熱いシャワー浴びたい。
アパートに着いたら、家のドアの前に沙奈がいてびっくりした。
「え、沙奈? なにしてんの?」
「待ってた」
「待ってた、って……」
これから練習で会うのに。夜だって一緒にいるのに。てか、今日めちゃくちゃ寒いのに。
「だって、早くユキに会いたくて」
可愛いことを言う赤いほっぺたに触ったら、その赤味とは反対にものすごく冷たかった。慌ててドアを開けて、中に招き入れる。
「……あのね、ちゃんと謝りに来たの」
シャワーを浴びに風呂場に向かう俺の背中に、沙奈の弱々しい声がかかった。
……だと思った。