私たちの六年目
「菜穂さん、負けずに頑張って。

菜穂さんなら、きっと幸せになれます」


「うん……。頑張るね」


崎田君がそう言ってくれたことで、自分の中に勇気が生まれるのを感じていた。


私は戦うよ。


秀哉の心を縛り苦しめているものから、一刻も早く解放してあげたいから。


それから梨華にも……。


母親としての自覚を、きちんと持ってもらいたい。


このままじゃ、誰ひとり幸せになれないもの。


みんなの笑顔を、きっと取り戻してみせる。


そして……。


やっと通じ合えたこの恋を、ゆっくり育てていきたい。


きっと大丈夫。


絶対……。


絶対に乗り越えてみせるから……。

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