私たちの六年目
私の言葉を聞いた梨華の目から、ポロポロと涙が流れて行く。


私はその様子を、しばらくじっと見ていた。


「梨華、自暴自棄にならないで。

本当は梨華、優しい子でしょう?

そうじゃなきゃ私は、こんなに長く梨華と付き合ってないよ。

お願いだから、失望させないで。

梨華を嫌いになんか、なりたくないのよ……」


しばらくポロポロと涙を流していた梨華だったけど。


そのうちしゃくり上げるような泣き方に変わっていった。


梨華のその涙の意味は、何なんだろう。


今はまだ、よくわからなかった。


でも、ひとつひとつ整理していくしかない。


きっと、出来るはずだから……。


「梨華、傷ついたんだよね……?

愛していた人に、裏切られたから……」


好きだとか、愛しているだとか。


その美容師の男性には、さんざん言われて来たはずだ。


いけないことだとわかっていても、お互いに好きな気持ちを抑えきれずに、愛し合ったはずなのに。


いざ子供が出来たら、お金だけ渡してお別れだなんて。


そんな悲しいことってないよね。


「うん……。

傷ついたし、悲しかった。

死んじゃいたいくらいに、悲しかったよ……」
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