私たちの六年目
梨華とそんな話をしたわずか一週間後のこと。


梨華からの呼びかけで、金曜日の夜に例のメンバーがいつもの居酒屋に集められた。


久しぶりにみんなで集まれるのは嬉しいけれど、さっきからずっと気まずい空気が流れている。


ちなみに、言い出しっぺの梨華はまだ来ていない。


「どうしたんだろうな、梨華のやつ。

急にみんなで集まりたいなんて」


重い空気に耐えられないのか、守が口を開いた。


「そもそもさ、恒例だった飲み会が中止になったのって、梨華がきっかけだっただろ?」


そう。


梨華の交際相手が、実は既婚者だということがわかって。


郁未以外のメンバーが不倫に反対したのをきっかけに、梨華は飲み会に来なくなったんだ。


「反対している俺達にこうして声をかけて来たってことは、もしかして……。

例の不倫相手と別れたってことなのか?」


守の言葉に、みんなが複雑そうにお互いの顔を見合わせた。


確かに、そう考えるのが普通だよね。


だけど……。


「梨華は別れてないよ」


私の言葉に、みんなが一斉に私の方を向いた。


「まだ別れてないの?」


郁未に聞かれて、私はコクンと頷いた。
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