私たちの六年目
奥さんにバレていない?


だったら、まだ関係を続けることは出来たはずだよね。


それなのに、どうして……?


「いつか終わりが来ることはわかってた。

それが、たまたま一昨日だったってだけ……」


「で、でも……なんで急に? ケンカでもしたの?」


郁未にそう聞かれて、梨華は首を横に振った。


「ケンカだったら、まだ良かった……」


ケンカの方が良かったって……。


一体どんな別れ方をしたって言うんだろう。


「ねぇ、一体何があったの?

回りくどい言い方しないで、ちゃんと話してよ!」


郁未が痺れを切らして言った。


それは郁未に限ったことじゃない。


ここにいる全員がそう思っている。


一体何がどうなって、急に別れようなんて言われたのか。


それが、知りたい……!


梨華は一度はぁと深く息を吐くと、視線を落としたまま静かに話し始めた。


「実はね……」


ゴクッと、喉を鳴らす私達。


私は、背中に嫌な汗がツーッと流れるのを感じていた。



「私のお腹に……。




彼との赤ちゃんがいるの……」
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