【極短】いちごラムネ
ドキドキと逸る気持ちで買う予定もなかったファッション雑誌を手に取り、レジに向かう。
隼くんが慣れた手つきでレジをして、雑誌と一緒にいちごのラムネをくれた。
「おいしいから食べてみて?」
「……ありがと」
「じゃあ、金曜ね」
笑顔で手を振る隼くんにニッコリ笑ってコンビニを出る。
いちご味のラムネ……。
隼くんからの貰い物。
もったいないけど、いちごの描かれたパッケージが食欲をそそる。
丁寧に封を切ると、いちごの甘い匂いが鼻を掠める。
「甘そー」
口に小さな一粒を入れると……。
甘酸っぱい、恋の味がした――。