ウィスタリア学園
その威嚇は私に向けられたものではなく私に噛み付いていた白虎に向けられたものだった。

百帝の威嚇を当てられたのか私から噛み付くのんやめた。

『人間の小娘よ。済まないことをした』

百帝はそう言って深々と礼をした。それに続いて他の白虎達もお辞儀をした。

「謝らないで下さい白帝。元々は私達人間のせいなんですから。」

白帝はゲラゲラと笑っていた。キョトンとした私を見た百帝は『すまない』と言った。

『よく、ワシが白帝だと気づいたな小娘よ。』

「分かります。昔、色々とあったので。」

私はハハと笑いながら答える。

『小娘……名はなんと申す?』

急に白帝が私の名前を聞いてきた。

「舞姫と言います。友人からは、姫って呼ばれてますね。」

私の名前を聞いた百帝は、ハッてして懐かしむような感じで私の名前を口ずさんだ。

『……舞姫…殿か……だから、ワシが百帝だと気付いたのじゃな。……』

ん?舞姫殿……?聞き間違い?

「どうかされましたか?」

『いや、何。少し、昔の事を思い出しただけじゃ。気にするな。それりよ、舞姫殿ワシに敬語は不要じゃ。堅苦しいの苦手だからな……』

あーやっぱり舞姫殿って言ってる…やだなその呼び方。

「分かった。じゃあ、私からも舞姫殿って呼ぶの辞めて。せめて姫って呼んでよ。」

ムスッてした感じに見えたが『分かった』とOKしてくれた。

< 37 / 46 >

この作品をシェア

pagetop