恋の宝石ずっと輝かせて2
「もちろん大丈夫よ」

 ユキが優しく言えば、緑は笑顔いっぱいに顔を輝かせて上下に飛び跳ねていた。

 あどけない姿。表情豊かな顔。

 緑はユキと仁の愛情をいっぱい受けて育っている。

 にこっと笑ったときに優しく垂れ下がる目が特に仁そっくりだ。

 ユキは優しく抱きしめた。

「ねぇ、ママ、あっちにいってきてもいい?」

「いいわよ」

 緑は喜んで走っていってしまった。

「おいおい、迷子になったらどうすんだよ」

 はしゃぎまわる娘を追いかけるのに一苦労する仁は、あまり賛成できない。

「そんなに心配しなくてもいいわ。ここはトイラの森。きっと誰かが緑を見ているはずよ」

 仁は半信半疑で辺りを見回した。

 森は木漏れ日に揺らぎながら、鮮やかな新緑の光に包まれていた。

 駆け回る緑はユキの言う通り、陽光に照らされる度に森に優しく見つめられているようだった。

 仁もそれに納得したのか、微笑んで娘を目で追いかけていた。
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