恋の宝石ずっと輝かせて2
娘のことは心配ないと、ユキは自分のことに専念する。
ここへ来た理由――。
ユキは手に握り締めていたエメラルドの輝きを持つ石を見つめる。
――トイラ。
小さく呟いた。
胸の奥から湧き出る思いは、まだ少女だったあの時の自分を蘇らせた。
ユキの目に過去が映る。
懐かしく、愛おしい大切な若かりし頃の思い出。
それは今も宝石のようにキラキラ輝く。
トイラのエメラルド色の石もユキの思いに反応して光っているようだ。
「ずっと待たせてごめんね、トイラ」
ここに来るまで時間を要してしまったかもしれない。
でもとうとう帰って来たのだ。
石を持つユキの手が震える。
息を整え、体に力をこめた後、ユキはその石をトイラが好きだった大きな木の根元にそっと置いた。
傍で仁は息を飲んで見守っていた。
ユキは肩の荷が下りたように、すっきりとした表情でもう一度木を見つめる。
そして思い残すことはないと、笑顔で仁に振り向いた。
「さあ、帰りましょうか」
「えっ、今来たとこじゃないか。もっとゆっくりしていいんだよ。ここはユキにとって大切な想い出の場所だろ」
「そうね、かつてはそうだったわ。でもここでいつまでも立ち止まってはいられないの」
「ユキ……」
仁ははっとさせられた。
ここへ来た理由――。
ユキは手に握り締めていたエメラルドの輝きを持つ石を見つめる。
――トイラ。
小さく呟いた。
胸の奥から湧き出る思いは、まだ少女だったあの時の自分を蘇らせた。
ユキの目に過去が映る。
懐かしく、愛おしい大切な若かりし頃の思い出。
それは今も宝石のようにキラキラ輝く。
トイラのエメラルド色の石もユキの思いに反応して光っているようだ。
「ずっと待たせてごめんね、トイラ」
ここに来るまで時間を要してしまったかもしれない。
でもとうとう帰って来たのだ。
石を持つユキの手が震える。
息を整え、体に力をこめた後、ユキはその石をトイラが好きだった大きな木の根元にそっと置いた。
傍で仁は息を飲んで見守っていた。
ユキは肩の荷が下りたように、すっきりとした表情でもう一度木を見つめる。
そして思い残すことはないと、笑顔で仁に振り向いた。
「さあ、帰りましょうか」
「えっ、今来たとこじゃないか。もっとゆっくりしていいんだよ。ここはユキにとって大切な想い出の場所だろ」
「そうね、かつてはそうだったわ。でもここでいつまでも立ち止まってはいられないの」
「ユキ……」
仁ははっとさせられた。