恋の宝石ずっと輝かせて2

 大好きなユキ

 こんな形で再び俺が君の前に登場するなんて思わなかった。

 一体何から話せばいいのか俺自身混乱している。

 まずはこんなことになってしまったところから話そう。


 ユキの命を救ったあの後、俺の意識は消えずに君の中に留まってしまった。

 これも君が人間であり、俺が森の守り主として選ばれた存在だったからなのかもしれない。

 誰もが予測できなかった事態が、偶然に起こってしまったのだろう。

 だが俺はそのことを君に伝えることはできなかった。

 君はあの後悲しみ、途方に暮れていた。

 そんなときに、俺が君の中で生きているなんて知ったら、君は世界を見ようともせず、ずっと引きこもってしまうと思ったんだ。

 だからいつかは立ち直ってくれると信じて、俺はひっそりと君の中で隠れていた。

 そして、少しだけ君が前を向き出したのが感じられた。

 でもそれはまだ弱すぎたために、俺はその時だけ自分の意識を少し表に出してみた。

 俺の意識のイメージを君に植え付けたんだ。

 側に俺を感じることで、君はそれを見えると思った。

 そうすることで、君は益々前向きになり、俺も明るくなっていく君を見るのが嬉しかった。

 だけど、いつしか君は俺に会うためだけに無理に前に進もうとしていた。

 それでは最初に俺が恐れていたことと変わらなくなってくる。

 表向きは前を歩いているようでも、結局は自分の中だけで生きているのと同じことに思えたからだ。

 だから徐々に俺はまた隠れたんだ。

 そしてこのまま眠りにつこうと思っていた。
 
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