ロスト・ラブ


「全然迷惑なんかじゃねぇから」


むしろもっと頼ってくれよ、と。

俺の立場でそんなことを言うのはおかしいのはわかってはいるけど、それが本音だった。


茜を傷つけて、"周りを利用"して、"協力"までしてもらって。


そんな方法でしかお前を守れない俺なんかに、コイツが素直に頼るわけないのに。


だからこそ、少しのことでだってお前の変化を、助けを、逃したくないんだ。

もう絶対に、茜の目から光が消えないように。


「もう二度と、お前を傷つけさせない」

「……へへっ」


改めて決意を固めた俺の言葉の意味を理解しているのかしていないのか、茜はふにゃりと笑った。


……こんなにも好きな女の人生を、俺はめちゃくちゃにしたんだから。


「……写真、大事にしてくれてありがとうな」


それだけで俺は、どんなことがあっても全力でこいつを守っていける気がする。


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