恋かもしれない
見ると店の横に美也子さんとご主人がいる。

どうやら事務所から出た美也子さんがご主人を呼びとめたみたい。

こちらからだとご主人は背中しか見えないけれど、なんだかとってもイイ男感が漂っている。

美也子さんも綺麗だし、本当にお似合いで絵になる二人なのだ。

こうしているところを見ると、出会うべくして出会った運命の人同士なんだなと改めて感じる。

だって、ジグソーパズルのピースが嵌るみたいに、ぴったりと自然な雰囲気なのだ。

「美也子さん、ご主人と一緒にいると、幸せそうに笑うんだな」

いいな素敵だなってチラチラ見ながら作業を続けていると、ご主人が駐車場の方に向かって手招きをしていた。

誰かを呼んでいるみたい。

速足で二人に近付いてきたスーツ姿の男性に、美也子さんが笑顔で会釈して――っ!

「えええっ!?」

びっくりして磨いているオブジェを落としそうになって、慌ててしっかり持ち直して、その場にへたり込むように座った。
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