恋かもしれない
「スゴイ、上手にできたね!」

男の子はとっても自慢気に見せてくれたけれど、褒めると頬を赤くして恥ずかしそうに笑った。なんだか可愛い。

「この子ったら、これを夏休みの自由工作にするんですって~。すいません~。ほらもう行くわよ。先生たちの邪魔しちゃいけないから。じゃぁ、また。失礼します~」

「先生、ばいばい!」

「おう、またな! 出校日までに他の宿題もやれよ!」

分かってるよ!と言って去っていく男の子とお母さんの背中を暫く見送った後、岩田さんはパンフレットを広げた。

「アイツ、ここに行ったのか。綾瀬さん、昼飯前に体験教室行ってみますか」

「はい?」

「折角来たんですから、いろいろ満喫しましょう」

岩田さんはすたすた歩いて行ってしまうから、急いで後を追った。

「へえ、思ったよりいろいろありますね。綾瀬さんどれにしますか」

「えっと、そう、ですね」

八種類くらいの教室があって、どれも所要時間は三十分~四十分と書かれている。

見本も飾ってあって、岩田さんは腰を屈めて真剣に見ていた。

その姿が、生徒の工作を審査してる先生っぽい。まあ、実際先生なのだけれど。

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