恋かもしれない
「僕も、地元のくせに来るのが初めてなんです。テーマパークとは言っても見た目は公園ですね。でも、割りと遊べる場所だと、子供たちの評価が高いんですよ」

園内は家族連れが多くて、子供たちが斜面を滑る芝スキーを楽しんでいたり、年配の夫婦が木陰で休んでいたりしている。

通路を赤い汽車が汽笛を鳴らしながら走っていて、珍しい花や温室もあって、パークの中はとても気持ちがいい。

「へえ、割と良いところですね。予想外だったな」

「そう、ですね」

小さな風車小屋と原色の花が咲く綺麗な花壇の傍をゆっくり歩いていると、前方から来る小学生くらいの男の子がこちらを見て笑顔になった。

「あ~! 岩田先生だ! せんせーい!」

「あらぁ、やだ先生。こんにちは~。こんなところでお会いするなんて~! 偶然ですねぇ!いつも息子がお世話になってます~!」

嬉しそうに近付いて来たのは、やんちゃそうな男の子とそのお母さんだ。

お母さんは岩田さんと私をチラチラ交互に見るから、なんだかちょっぴり嫌な気分になる。

「先生! さっきこれ作ったんだよ!」

男の子は見て! 見て! と言って、四角いフレームの中にカラータイルが彩りよく貼られたものを岩田さんに見せた。

あっちの方にある体験教室で作ったものだと、興奮気味に説明して、私にも見せてくれる。
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