影を拾った太陽
言い返せないようなこと、言わないでよ。
そんなことない!なんて、言えないじゃない。
「ま、俺も楽しみだったけどな。お前の久々の弁当」
「え?」
小声だけど、確かに聞こえた。
桐ヶ谷くんも楽しみにしてくれていたの?
「あ、そういえば前から言おうと思っていたんだけどさ。お前、藤宮に自分の弁当渡してんじゃねぇよ。お前が作った物でも、お前本人からもらわなきゃ意味ねぇし」
愛依に初めて協力して欲しいって言われた時だ。
せめて、桐ヶ谷くんに気付いてもらえると良いなと思って、微かな願いにかけて愛依に渡したお弁当。
気付いてくれていたんだ。
「一緒に食おうぜ」
そう言いながら、桐ヶ谷くんは椅子を引いてくれた。
まるで高級料理店の店員さんの席の案内みたいに。
なんか、桐ヶ谷くんまるで紳士だよ。
「ありがとう」
小さくお礼を言って、席に座った。
向かい合ってお弁当を食べる私達は本当にカップルみたいで。ずっと続けば良いな。
私、桐ヶ谷くんにちゃんと告白できるかな。
「今日、一緒に帰ろうぜ」
「うん!」
こんな会話もカップルみたいだよね。
きっと、友達以上恋人未満ってこういうことを言うんだろうな。
今が一番幸せなんだ。
付き合えたら、もっと幸せになれるのかな。