学校一クールなキミのお世話係になりました
「北原君、ちょっと話したいことがあるんだけどいいかな?」
きりっとした感じの話し方をする彼女に、彼は困ったような顔を一瞬したけど、素直に頷いた。
「いいですよ」
ゆっくり立ち上がって彼女のとなりに並ぶと、凄くお似合いな2人に見えた。
「北原くんに、大事な話があるの」
「はい、手短かにお願いしますね」
「まあたー、北原くんったら」
彼女は慣れたように彼の背中をポンと軽めに叩いた。
「亜美さん、相変わらずですね」
クスクス楽しそうに笑う彼女の横顔を見たら、私は無意識に下唇を噛んでいた。
北原くんも表情を柔らげて親しげに笑っている。
その綺麗な先輩は、彼と同じ世界の住人のように見えて2人並んでいたらファッション誌の1ページみたいに素敵だった。
彼と並んでもひけをとらない人なんて、なかなかいない。