学校一クールなキミのお世話係になりました
「ほら、覚えてる?1年の頃、一緒にクラス委員してる時さ、月島さん学園祭の準備の時、一人で何でも抱え込んじゃって、誰にも相談できないで苦しそうだった」


「うん、あったね。そんなこと。懐かしいな」


学園祭の演劇の衣装つくりの時、女子達の意見が分かれちゃって、調整するのに大変で困っていたんだ。


気の弱い私は自分の意見を強く言えなくて。


だけど、あの時、すぐに一ノ瀬君が協力してくれたからクラスで揉めることなく無事に乗り超えられたんだっけ。


それだけじゃない、一年間一緒にクラス委員をしていて、彼の誠実な気遣いにどんなに助けられたことだろう。


「あの時も今みたいな悲しそうな、泣きそうな顔してたから心配だったんだ。月島さんはいつも頑張りすぎちゃって、無理してしまうから」


彼は少し照れ臭そうに瞳を細めた。

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