学校一クールなキミのお世話係になりました
「晩御飯は?食べた?」


「いや、まだだけど。あまり腹減ってないんだ」


「でも、少しは食べないとダメだよ。また面倒くさがってるんでしょ、待ってて、いまから」


「もう遅いし来なくてもいいよ」


「行くよ、待ってて」


「いいって」


迷惑そうな返事をされた気がしたけど、バッグと紙袋を持って、すぐさま部屋をとびだしていた。


キッチンにいき、母に急いで出かけることを告げた。


「あんた、何時だと思ってるの?」


「ヒナちゃんちに行くだけだから、すぐに戻るから大丈夫」


どうしても彼の元に行きたくてとっさに、嘘をついてしまった。


こんな時間に家を出る方法が他には思いつかなかったから。


ヒナちゃんは、同じマンションに住む同じ中学出身の友人だ。


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