学校一クールなキミのお世話係になりました
また、目線が合わないように逸らされた気がする。


それに、彼の耳たぶが少し赤い気がする。


「それより、こんな夜遅くに来て、どういうつもりだよ?」


「だって、連絡がなかったから心配で」


正直に打ち明けたけど、やっぱり過保護すぎた気もする。


彼は、別に今、私になんて会いたくなかったのかもしれない。


彼の曇った表情を見てそう思った。


なにを期待してたんだろう、私。彼が喜んでくれると思ったのかな。


「だからって、こんな時間に男の部屋にくるなよ」


「でも電気もつけないでいたから、心配で」


彼は、はーってため息を吐いたかと思うと、一歩近づいてきて身をかがめる。


「心配、心配って、俺の母親のつもり?」


耳の近くで、ささやかれたので、びくんと体が震えた。


「ちょっと、近いよ」

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