学校一クールなキミのお世話係になりました
彼がそんな風に考えてたなんて思いも寄らなかった。


彼に近づきその瞳を真っ直ぐに見つめる。


「違うよ、私はずっとそばにいたかったもん。北原くんのお世話、嫌じゃなかったの。私はむしろ」


必死で訴える私を見て彼はクスッと笑う。


「うん、さっき先輩達にそう言ってるように見えてやっとそれでわかったんだ」


さっき教室で、みんなの前で、私めちゃくちゃなことを口走っちゃったんだった。


顔から火がでるほど恥ずかしい。


「うぬぼれかもしれないけど、俺の右手になったままずっと一緒にいたいって言われたような気がして、びっくりしたけど正直嬉しかった」


照れたように笑った彼は、もう一度私の右手を引きよせた。


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