眼鏡フェチな私
けど如何せん、主任は眼鏡じゃない。
なのでこの時点では興味がなかった。
……この時点、では。


「なんで秋吉(あきよし)は、眼鏡じゃないの!?」

「はぁっ!?
毎度ながらおまえの言ってること、意味わかんねー」

主任の歓迎会。
いつものように同い年の秋吉に絡んでいた。

……というか。

一年前。

私は秋吉に告白された。
まあ、優しいし、見た目だって悪くないし。
嫌いではなかったけれど。

でも、秋吉は眼鏡じゃない。

……眼鏡じゃないから友達以上の好きになれない。

そう告げたときの秋吉の顔はいまでも忘れられない。

それ以来、秋吉とはいい友達……だと思っている。

「聞いてくださいよ、主任。
俺、こいつに『眼鏡じゃないから好きになれない』って振られたんですよ」
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