終わらない物語を、君に
「いいわよ」

不敵に、女のエメラルドの目が笑う。

……ああ、この生意気な女を屈服させてその血を飲むのは、どんなに愉快なことだろう。

ぺろり、舌で唇を舐め、スクーナはその時を待った。



その噂を聞いたのは、ただの偶然だった。
ある村の酒場に、カードで誰も勝てない女がいるのだという。

人間の小娘に吸血鬼である自分が負けるはずがない、簡単に捻り潰して、あわよくば今晩の食事に。
それに、暇つぶしにもなる。

それくらい軽い気持ちだったのだが。

「Kのフルハウス」

「残念ね。
……Aのフルハウスよ」

おかしい、さっきから負け続けているのは自分の方。
こんなはずでは。
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