俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

「今日は隼人がお騒がせしてすみませんでした」

廊下に立ち尽くしていた俺を見て、そう言って頭を下げる。
少し照れくさそうな笑顔を見ただけで、心臓のあたりがぎゅっと苦しくなった。

「遅くなっちゃいましたけど、ご飯食べますよね? 穂積さんもご夕食がまだでしたら食べていかれませんか?」
「私もご一緒していいんですか?」
「多めに作ったので、よかったらぜひ」
「新婚若奥様の手料理なんてめったに食べられないので嬉しいです」
「新婚若奥様って……。あんまり期待しないでくださいね」


そんなやりとりをしてリビングへと入っていくふたり。
けれど動揺のあまり動けない俺が廊下で立ち尽くしていると、気づいた鈴花が廊下に戻ってきて不思議そうにこちらを見上げた。

「和樹さん、どうしたんですか?」

小首をかしげて顔をのぞきこまれ、その可愛らしさに頭に血が上った。


その瞬間自覚した。
どうやら俺はこの可愛らしい妻に、恋をしているらしい。




 

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