俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

「和樹は彼女が好きだから、恋人がいると思って許せなかったんだよ」
「なに言ってるんだ。あの日はじめて会ったのに、好きなわけがない」
「本当に鈍いな。だからお前はあの日はじめて鈴花さんに会って、ひと目見て惹かれたんだろ」

そう言われ、一瞬頭が真っ白になった。

「俺がひと目ぼれしたって言いたいのか?」

なにをバカなことを言っているんだと笑い飛ばそうとしたけれど、ロビーでひとり佇む綺麗な横顔を思い出しただけで意味もなくまた鼓動が速くなる。

まさか、この鼓動の速さや頬のほてりは恋愛感情が原因……?

「彼女は今まで金目当てで近づいてきた女たちとは違う。お前だってそうわかってるだろ」

穂積の言葉になんと言い返せばいいのか悩んでいると、玄関の扉が開き鈴花が帰って来た。


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