connecting world〜best friend〜
真っ青な顔をしている私に、クレアが「Are you ok?(大丈夫?)」と訊ねてくる。

「ノー!アイヘイト…」

体育が大嫌い、と言いたかったが、体育という単語がわからない。

「P.E!体育はP.E!」

アマンダが教えてくれる。「センキュー」と下手くそな英語を返し、私はもう一度クレアに言う。

「アイヘイトピーイー!(私は体育が大嫌い!)」

するとクレアは「ナルホド!」と言って笑った。

クレアは私と違って体育が得意なようだ。くじ引きでチームを決めて試合をしているのだが、次々とボールをシュートさせている。

「クレアすごい!!」

「かっこいい!cool!」

同じチームの人がクレアを褒める。それに比べて私はというと……ボールが回ってきてもすぐに相手に奪われてしまうし、ゴールにシュートすることができない。

「クレアすごいね。私、ダメダメだぁ〜」

おしゃれしか取り柄がない私と、日本語ができて運動もできるクレア。

前向きになりたくても、マイナスなことしか浮かばない。しばらく部屋着は寒色になりそう…。

そう思った時、クレアが私の肩に触れた。

「Look up and not down.(上を向いて下を見ないで)」

何となく、クレアの言いたいことはわかった。きっと私でもわかるように簡単な単語を選んでくれたんだと思う。
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