それでも君を
「早く外れてくれないかなぁ…」



「ねぇねぇ、点滴に繋がれてるのってストレス?」



香織は何にでも興味を示す。



「どうみてもストレスでしょ。それ以外もご飯はちゃんと食べてるかとか、トイレは何回行ったとか、ずっと監視されてるのもストレスだよ」



「あー、それ治療する側からすると大事な情報なんだけどね」



苦笑いの香織。



それは分かるけど、入院してるとなんでもすぐ報告されて、プライベートなんてゼロだ。



「ねぇ、それより水沢先生のこと聞かせてよ!この間めっちゃ優しかったよね~。梨央元気になったら色々聞こうと思ってたんだー!」



なるほど、香織はこれを聞きに来たのか。



テンション高めの香織には申し訳ないけれど、正直今こちらはそういう気分ではない…



「その優しい水沢先生、もうすぐ怒ってここに来ると思うよ」



多分だけど、と付け加えながらチラッと時計を見る。



なんで?と香織が聞くのとほぼ同時に、病室内にノック音が響いた。



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