それでも君を
「よし、終わり!ちょっと待って、今針抜くから」



「梨央!すごいじゃん!出来たね!」



真ちゃんが私を抱きしめようとして、颯くんに止められる。



「あぁ、水沢待った!止血テープ巻かせて」



「はい、すみません」



「ふふっ、また怒られてる」



私が笑顔を見せると、ふたりも安心したように笑う。



「よし、もういいよ」



「おいでっ。たくさん褒めてあげる!」



やっぱり私はこのふたりじゃないとダメみたいだ。



これからも大切にしないといけない。



「甘やかしすぎ禁止〜」



「え、いいじゃないですかぁ〜」



いや、大切にする。



強く強くそう誓った。

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