それでも君を
「いっ…」



背後にあった椅子に背中をぶつけ、看護師が小さく呻き声をあげる。



その隙に私は体を起こして、少しでも男から離れようと必死にもがく。



「おい。なにやってんだ、おまえ」



カオスな状況の中、一段と低い声が診察室内にこだました。



さっきの応援要請を受け取ったのは隣の診察室にいたマッキーだったらしい。



その後ろにはなぜか颯くんの姿もみえる。



状況は一変し、あんなに離れなかった真島が一瞬で引き剥がされ、今はマッキーに組み倒されている。



颯くんはというと、一直線に私のところへと辿り着き、一瞬だけ破かれたシャツと私の胸元に視線を落とすと、言葉もなく自分の白衣を脱ぎ、震える私の肩から胸元へと優しくかけ直してくれた。



状況を確認する颯くんの瞳には鋭い怒りが見え隠れしている。



一方、真島を組み敷いているマッキーの手にも、普段ののんびりした雰囲気からは想像もつかないほど強い力が込められていた。
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