それでも君を
「よし、じゃあ始めるよ。力抜いて楽にしてて」



颯くんがパイプ椅子を引き寄せて腰掛け、私の腕の下にクッションを敷く。



駆血帯が二の腕を締めつけ、手袋越しの颯くんの指が慎重に血管を探る。



アルコール綿の冷たい感触と独特な匂いが鼻腔をくすぐり、一気に心臓の鼓動が加速した。



「真ちゃん…」



「ん、すぐ終わるからね。手繋いでよっか。」



差し出された真ちゃんの大きな手を、すがりつくようにぎゅっと握りしめた。
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