それでも君を
廊下に漂う消毒薬の匂いに誘発され、これから起こることがぐるぐると頭の中を駆け巡る。



腕に巻かれる駆血帯の圧迫感、アルコール綿の冷たい感触、チューブを静かに伝ってくる透明な薬剤……



そして、その後に襲いかかってくる、重い倦怠感と吐き気。



うっ……



想像しただけで吐き気が込み上げてくる。



投与される前だというのに、身体が条件反射で「嫌だ」と悲鳴を上げていた。



足が、すくんで動かない。



颯くんの診察室の扉はもう目の前なのに…

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