世界で一番、不器用な君へ


「蓮、もういいから」


グッと胸板を押し返しても、なかなか蓮は離れない。


「ねえっ…どいて!」


「…俺だけかよ」


腕がひかれ、そのまま蓮の胸元に押しつけられる。


「こんなにドキドキしてんの、俺だけ?」


驚いた。


手に伝わってくる蓮の鼓動が、想像以上に大きくて早かったから。


でも、それ以上に。



私の心臓が、同じくらいうるさかったから。



「やっ…」


「なあ、一花」


首筋に、グリグリと頭を押しつけられる。


「俺のことなんとも思ってないのに、なんでそんなに意識してんの?」


これ以上は、だめだ。


全力で蓮の体を押し返して押し入れから出る。


体の火照りが、おさまらない。


「一花、待って」


「離して!」


掴まれた腕を振る。


「そんな顔で戻れんの?」


やだ、やめてよ。


「知らないっ」


「そんな余裕ないみたいな顔、すんなよ。勘違いしそうになる」


蓮のことなんてなんとも思ってないのに。



なのに、どうして熱がひいてくれないの?



< 190 / 190 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

サヨナラのために

総文字数/49,053

恋愛(純愛)153ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
あの日を境に、歪んでしまった私たちの関係を 終わらせるその日まで お願い、どうか、離れないで ※このお話は一部性的描写を含みます。
センパイの嘘つき

総文字数/52,727

恋愛(学園)181ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
学校1人気者のあなたは、 いつも女の子との噂が絶えない あなたのことは あまりよく知らなかったけど 遠くから見ていた、 金色のふわふわした髪の毛を わたしは綺麗だと思った 柊木 柚月 《hiragi yuzuki》 × 柳 悠人 《yanagi yuto》
忘れられない君との夏。

総文字数/28,427

恋愛(純愛)88ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
補習、雑用、これからのこと____ 青春とはかけはなれた高校最後の夏休みを かけがえのないものにしてくれたのは、優しい顔で笑う君でした 夏目 葵 【Natsume Aoi】 × 相原 洸 【Aihara Kou】 君と過ごす、最後の夏が始まる

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop