クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
私の手元に戻されたお金を、彼に渡したくても受け取ってくれそうにないので、作ったカレーと一緒にビールでも持って行こうと思う。
少しだけ、仲良くなった私達の帰り道
「なぁ…」
「なんですか?」
「さっきのワイン…あれってわざとだろう?」
しばらく考えてから、私は答えた。
「あー、ブラウスにかかったワインの事ですか?私、結構ドジで、気をつけているんですけど不注意で、よく溢したり、物を落としたり、小さな怪我とか昔からよくあるんです。今朝のぱ、パンツの件も」
「はぁっ?あんな事よくあるのか?」
「あんな事は初めてでしたけど、靴下が左右色違いとか、シャツの裏表にして着てたりとか、まぁ、そんな事はたまにですけど…」
マジか…
と、驚いてる向井さんに、話の流れとはいえ数々のドジを暴露してしまって恥ずかしく、言葉尻が小さくなっていく。
「お前、おもしろいな」
今度は、クックククと笑いを堪えているが、彼は堪えきれてない。だけど、話がそれてよかったと思った。
「笑い過ぎです」
「悪い」と言いながら、まだ笑いが止まらないらしい。
「ちっとも思ってないくせに」
ぼそっと呟いた私の声が、彼にも聞こえたらしく、彼の手が頭を撫でる。