クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

そこで初めて、自分の迂闊さに気がついた。

ぱ、パンツを出してたとか、痴女とか…

うわっ、わ、わ、わ、わ……

辺りを見回し、自分達以外に誰もいない事を自分自身で確認し、ホッとする。

その様子が、彼のツボにハマったのか⁈『リスみてー』と呟き喉元でクッククと笑ってる。

なんだか、小馬鹿にされているようで面白くない私は、彼と距離を詰め見上げた。

「お粗末な物をお見せして、申し訳ありませんでした」

ぷっ…と吹き出した彼。

ほんと、笑いすぎ。
ムカっとする気持ちを押し隠し頭を下げた。

「忘れてください」

「……わかった。じゃあ急ぐから」

先程までの笑いで崩れた表情から、彼は一変して無表情で横を通り過ぎて行き、私は、心で2度と会いたくないと、この時間は避けようと誓っていた。

ふと、足音が止まった。

「目の保養にサイコーだったよ。魅力的な尻を見せてくれてありがとう」

彼は思い出したのか、ニヤッと笑っていた。

なんだって⁈
デリカシーのないセリフに、ワナワナと体が震える。

こう言う時は、相手の気持ちを推し量って触れないでおくのが、人としてのルールだろうに、…ゆるさんと拳を握りグーパンチを繰り出したが、彼は出て行った後だった。
< 4 / 111 >

この作品をシェア

pagetop