クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
そこで初めて、自分の迂闊さに気がついた。
ぱ、パンツを出してたとか、痴女とか…
うわっ、わ、わ、わ、わ……
辺りを見回し、自分達以外に誰もいない事を自分自身で確認し、ホッとする。
その様子が、彼のツボにハマったのか⁈『リスみてー』と呟き喉元でクッククと笑ってる。
なんだか、小馬鹿にされているようで面白くない私は、彼と距離を詰め見上げた。
「お粗末な物をお見せして、申し訳ありませんでした」
ぷっ…と吹き出した彼。
ほんと、笑いすぎ。
ムカっとする気持ちを押し隠し頭を下げた。
「忘れてください」
「……わかった。じゃあ急ぐから」
先程までの笑いで崩れた表情から、彼は一変して無表情で横を通り過ぎて行き、私は、心で2度と会いたくないと、この時間は避けようと誓っていた。
ふと、足音が止まった。
「目の保養にサイコーだったよ。魅力的な尻を見せてくれてありがとう」
彼は思い出したのか、ニヤッと笑っていた。
なんだって⁈
デリカシーのないセリフに、ワナワナと体が震える。
こう言う時は、相手の気持ちを推し量って触れないでおくのが、人としてのルールだろうに、…ゆるさんと拳を握りグーパンチを繰り出したが、彼は出て行った後だった。