昨日、彼を振りました。
「……荒木さん?」

「さすがにいまは、ちょっとあれだけど。
……悪い、今日はもう、送れない」

「大丈夫です。
ありがとう、ございました」

無理して荒木さんは笑っていて、胸がずきずき痛む。

「じゃあ、また明日」

「……また、明日」

私のあたまをぽんぽんして、逃げるように帰る荒木さんの背中をただ見送った。



お風呂の中で今日のことを思いだしていた。

……荒木さんに告白された。

ずっとこの関係でいられるなんて幻想を抱いていたわけじゃない。
でも、変わってしまうのが怖くて、結果として荒木を振ってしまった。

荒木さんに好きだと言われたのが怖かった。
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