嘘つきは眼鏡のはじまり
――チッ、チッ。

……さすがにもう、帰っているよね。

――チッ、チッ。

……ああ、もうっ!

勢いよく起きあがり、着替えを始める。

……別に、もう一度ちゃんと話がしたい、とか思っていないし。
万が一にもほんとに待たれていて、風邪とかひかれたら迷惑だから。

手早く化粧をして、コート着てマフラーを巻く。
ブーツを履くと逆ギレ気味に、足早に駅へと向かって歩き出した。


待ち合わせは午後三時。
たぶん、少し街をぶらぶらして夕食を一緒に、ってことだったんだと思う。

待ち合わせ場所にしていた公園の時計はすでに、七時をだいぶ過ぎている。
まだ待っているとしたら、この寒空の下、四時間以上いることになるが……さすがにそれはない……と思いたい。
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