バンパイア・ トラブル
そして。

おれはいつも腹ぺこだった。
満腹になったことがない。

女関係にはいつもそうだった。

食っても食っても、満腹にならない。



だが今はどうだ?



おれは礼子を見つめる。



「礼子が好きだ。間違いない」



礼子の瞳が、はにかむ。



「わたしにはトラブルがあります」
「知ってる」



おれは礼子を見つめる。



「でもな。もう、おたくじゃないとダメみたいなんだ。満足できない」



そう礼子は極上の料理でスイーツだ。

しかも食う者を向こうが選ぶ。
難ありらしいが、おれにはぴったりだな。


おれが云うと礼子は泣いたまま、笑う。



「変わった人ですね」



礼子の口癖だ。
それを訊きながらおれは礼子の髪を撫でた。
礼子がおれを見つめている。




「わたしが好きですか?」
「もちろん」
「嘘だったら、また気絶しますよ?」
「上等だ。おれは絶倫プレイボーイだからな」




礼子はおかしそうに笑う。



「わたしも笠原さんは嫌いじゃないです」
「おたくの上から目線も嫌いじゃないぜ」



ここまで来て強がる礼子に笑うと、おれは礼子に口づけた。


今のところ、何も問題はない。


トラブルは解決されたようだ。









『バンパイア・トラブル』 終わり
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