夢物語
 「やっと収まった……」


 揺れは数分間続いたと思う。


 一段落したのを確認し、ゆっくりとベッドを抜け出す。


 窓から外の様子を見ると、家の前の街灯も消えていて、大規模な停電と推測される。


 とりあえず私の部屋は本やCDが散乱している程度で、ガラスなどは割れていない。


 ただ余震が心配で、階段を恐る恐る下に降りた。


 一回の居間では、すでに母が起きていて、食器棚から落ちて割れたと思われるグラスの欠片などを懐中電灯の光を頼りに片づけていた。


 携帯電話の時計を確認すると、午前三時ちょっと。


 この時期まだ日の出前。


 もう少しの辛抱で、日の出とともに辺りは明るくなるだろう。


 それまでは街の灯りもすっかりかき消された、闇の世界が広がるだけ。


 停電でテレビもつけられないので、非常用のラジオの電源を入れた。


 どうやら北海道南部の太平洋側を中心とする、大きな地震のようだ。


 未だ情報が錯綜していて、はっきりとした状況は掴めない。


 震源地のほうはどれくらいの被害が出ているのかも分からない。


 ……西本くんの住む辺りは?


 その時、ふと西本くんのことが心配になった。
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