夢物語
 結果的に私たちを追いつめたTもSもMも、その後は悲惨な人生をたどったことになる。


 私が死ぬほど愛していたはずの彼も、今はどうしているか解らない。


 そんな中、私は……。


 不倫騒動の現場となったサークルを辞め、ほとぼりが冷めたタイミングを見計らって、別のサークルに移籍。


 家から通うことを考えると、近い場所がベストだったけれど、私が起こしたトラブルを誰も知らない人たちの集まりを選ばなければならない。


 すると自宅からそう遠くないエリアを本拠地とするサークルを発見。


 中、上級者を対象とするチームで、メンバーは幸いなことに以前のところとは全く重なっていない。


 これは理想郷! ということで、急いで代表者と連絡を取る。


 代表者は升田という人で、親切に練習場所や曜日を教えてくれて、チームに暖かく迎え入れてくれた。


 ……そしてここが、今の私の所属チーム。


 過去の私を誰も知らない場所で、水を得た魚のようにのびのびと活動することができ、私は競技面でさらなる飛躍を遂げることができた。


 部活動の経験がないにもかかわらず、異例の上達により区や市の大会でも活躍。


 この辺りではある程度名の知られた選手となることができた。
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