異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
変態とワーカホリック
翌日、私が目覚めると提督さんの姿はなかった。
………翌日と聞いて、あら?と思った方、そうその通り。
昨日の惰眠からずうっとそれを貪り続けたということなのだ!!
提督さんは……時間的にはトレーニングかな?仕事にしてはまだ早いしね。
私はムックリと起き、とりあえずシャワーを浴びることにした。
ワンピースを脱ぎ、ささっとシャワーを済ませ、提督さんのクローゼットからいつものシャツと綿パンを借りる。
ワンピースも着てて楽しかったけど、やっぱりこのスタイルがしっくりくるな。
何といってもこの提督さんの匂いが心地いい。
ふんわりと包むような、柔らかい香り。
これから何十年か経って、加齢臭がするなんて嘘のようだよ!!
いや?案外提督さんの加齢臭って、癖になるかもね?
そんな変態の発想を繰り広げながら、私は無意識のうちに提督さんの衣類を嗅いでいた……。

「何を………してる?」

「ひっ!!」

無限の想像力を働かせていた変態(私)は、提督さんの帰宅に全く気付いていなかった!
いつものトレーニングスタイルで帰ってきた提督さんは、呆然と私を見つめている。
待って?……この状況2回目ーー!

「それは……オレの……下着……」

「へ??」

提督さんは私の手元を指差した。
恐る恐る、手元でクシャってなった衣類をみると………。
………パンツじゃん!?
そう、私の嗅いでいたのは提督さんのパンツだった!
ああ、なんか……いろいろ終わった気がする……。
優しい提督さんだけど、さすがにパンツを嗅がれたとなると………

「下着……ああ、間違えていたか?君の衣類に混ざっていたのかな」

なんですって!?
この状況で!私が!パンツを!嗅いでいたということを!スルーするとぉ!?
見たよね?私、ガッツリあなたのパンツ嗅いでましたよね??
パンツを握り締めたままの変態は、目の前で微笑む提督さんの美しい顔を真っ直ぐ見ることが出来なかった!!
ううっ、ごめん、あなたの婚約者(偽)は変態だよーー!

「ところでな……」

と、提督さんは私が持つパンツをさっと奪い取り、自分のクローゼットに放り込みながら話を続けた。
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