異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
「セリを侮辱するのは許さん!それと、今後お前はセリの名を呼ぶのを禁止するっ!」

「はぁ??」

はぁ?
フレディと、私は同じように首を傾げた。
提督さん何をいきなり言い出すんだか。
名前を呼ばないでどうコミュニケーションをとるの?
あ、サクラバさんとか言うのかな?
それはちょっと気持ち悪いかも。
鼻息の荒い提督さんを見て、フレディは、ああ!と手を打つとニヤニヤしながら言った。

「鷹人は案外嫉妬深かったんだね?女になんて興味なさそうな顔して、実は燃える想いを秘めていたのかな?ふぅーん、いいじゃないか。でも、私はセリと呼ぶよ?ふふん、嫉妬ついでにもう一つ、この世界でセリの名を最初に呼んだのは私だよ!!」

このバカちんがー!!(本日2回目)
なんで煽るの!?
なんだか良くわからないけど、提督さんめちゃくちゃ怒ってるじゃない!!
こめかみの血管が浮き出て、目がつり上がって………ああ、怖い!!

「ちょっと……それよりもあのコのトゲを早く抜いて下さい。待ってもらってるんで……また暴れられたら困るでしょ??」

もし、私の言葉がもう少し遅ければ、提督さんはフレディに掴みかかっていたかもしれない。
額が当たる距離で睨み合いを続けてはいるけど、間一髪、殴り合いにならずに済んだみたいだ。

「ふん!トゲか……なら、船のクレーンを使うか?あのサイズだ、人の力ではまず無理だろう」

「そうだね、それがいい。トゲにロープをかけてクレーンで引く、それでいこう」
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