異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
《ぼくをたすけてくれたママ!ママのいうことなら、なんでもきいてあげる!このふねにすんでるなら、ふねをまもってあげてもいいよ?》

「んなっ!!なにそれ……何と言う美味しい約束!……連れ去ったりしない?閉じ込めたりとか?」

《しないよーー!ママにそんなことするもんか!こうやって、おはなしするだけでいいんだ!そしたら、さみしくないもんねー》

「……………ママとお呼びなさい」

私、自分で言うのもなんだけど、結構変り身が早い方だと思う。
そして、安全策とみるや態度を変えることを卑怯だとは全く思わない人種である。
うまく渡ってこその終末!!
世渡り上手は生き残り上手!
なんだか、散々ゲスなことを考えたけど、これ、タコにつつぬけ………あ、そうだ、名前何だろう?

「ねぇ、名前ある?タコじゃまずいよね?」

《なまえ?ってなに?タコ?それがぼくのなまえ、ってやつ?》

うーん、なんだか『タコ』と呼ぶには可哀想な気がしてきた……。
愛着がわいてきたのかな?
何かもっといい呼び名を考えてあげたい!
そうねぇ……タコといえば、確か島のたこ焼き屋さんの名前が『与作』だったから……。

「与作。ヨサクでいい?」

《ヨサク?うん!いいよ!これからぼくのこと、そうよぶんだね!わぁい!いーっぱいママによばれたいな!ねぇ、よんでみてよー》

「よーしっ!じゃあ……ヨサクくんっ!」

《はぁーい!》
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