異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
フレディのオーマ?
「私のオーマもね、《巫女なんてクソ!》って言ってたねぇ」

フレディは懐かしそうにうんうんと頷くと、私の目を覗き込んだ。
たぶんその言葉に、何かしらの感想を求めているんだろうけど、まず《オーマ》ってのが何かわからない。
何語?フレディってそもそも国籍日本なの?それともドイツなの?
もう聞くしかないかー

「えーと、フレディは日本人?何人?で、オーマって何??」

そうだ、わからないことは恥ずかしい事じゃないっ!多分ね……。
フレディは、アッという顔をしてあざとく可愛い顔をして見せた。
効果音をいれるなら『てへっ』がふさわしい。

「ごめんごめん!だよねぇ、そこから説明しないとね?」

と、やっと落ち着いてソファーに座った。

「私はドイツ保有の戦艦島ニーベルングで生まれました。なので、一応ドイツ人ということになりますが、オーマ……祖母が日本人で、祖父がドイツ人、母がハーフで、父が日本人です」

複雑すぎるー!!
オーマがおばあちゃんっていう意味で、日本人だってところしか覚えられなかった!!
すごくインターナショナルな一族なんだね……。
あ、いや、日本とドイツしかなかったな。

「それで、そのおばあちゃんが何で巫女なんてクソ!って言ったの?巫女に何かされたとか??」

巫女様、こっちに来て何かやらかしちゃったのかな??
私の平和そのものの力と違って、天候操る巫女なんてちょっと恐いもんね。

「いえ、オーマが巫女なんですよ」

…………………。
今何て言った!?

「おばあちゃんが巫女さん、て、仰った?」

「仰ったよー」

軽いなー、フレディ……それちょっと爆弾発言だよ?
わかってんの?この変態巫女フェチ。
でも、と言うことは、私とフレディは親戚ってことに!?

「オーマの名前はキキョウ・サクラバ。50年前にこちらの世界にやって来た巫女だよ」
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