異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
好ましい、ですか?
その話の後、少尉さんは私を部屋まで送り、仕事があるからまた!と言って去っていった。
医局長室でのやり取りのお陰で、気分はとても重い。
どうにかして一旦忘れようとしてもダメで、私は仕方なくベッドにダイブしゴロンゴロンと転がった。
あんな態度をとられるんだったら『使えねーな』と言われた方がいっそスッキリする。
内緒にするのは全然構わないけど、どうしてかを言えっての!
あー………もう、寝よう!!
何も考えずに寝る!
ムシャクシャしたらこれに限るね。
私はシーツに潜り込み枕を抱えると、丸くなって目を閉じた。
寝付きはいい方で5分もあれば夢の中だ。

それでは、おやすみなさい………。

…………………。
…………………。
カチャ。パタン。ゴソゴソ。カチャ。パタン
……………………。
カチャ。パタン。ゴソゴソ。
……………………。
……………………。
うーーーーん………さっきから誰かが出たり入ったりしてる?
物音に目を覚ますと、そこは白い世界。
あっ、そうだ、シーツ被って寝てたんだった!
私はシーツの中で、大きく背伸びをし、足も思い切り伸ばしてみる。
すると、何か硬いものにゴンッとぶち当たり、それは「うっ!」と呻き声を漏らした。
誰かベッドにいる!!
と、体を強張らせてみたけど、勝手に部屋に入ってベッドにいるのなんて、よく考えたら一人しかいない。

「提督さん??」

シーツからヒョコっと顔を出し、声がした方を見ると、ベッドの縁に腰掛け、腕の辺りを押さえた提督さんが苦笑いをしていた。

「悪いな、起こしてしまったようだ」

「いえいえ、そろそろ起きないとと思ってましたし?あ、今何時ですか?」

私はキョロキョロと時計を探しながら、提督さんに聞いてみる。
そういえば、この部屋時計ってないな。

「そろそろ夕刻だな」

うっそ!?結構な時間お昼寝してるわ。
なんていい御身分かしら……ははっ……ぐうたらにもほどがある。
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