人間消去アプリ
頭の中でそう考えていると、円歌に肩をバシッと叩かれた。


「なにボーッとしてんのよ、理央!


次の授業、選択授業だよ?


急がないと間に合わないよ?」


はっと我に返った。


そうだ、3限は選択授業だった。


私と円歌は音楽を、すずねは書道を選んでいる。


沙織は私と円歌と同じ音楽を選んでいるが、その沙織は来ない。


小さくため息をつき、音楽の教科書と筆記用具を持って、すずねと円歌と一緒に教室を出る。


3人で廊下を歩く時間はとても長く感じられた。


沙織がいなければ、こんなにも時間の経過が遅いのだと感じさせる。


「うーん……」
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