人間消去アプリ
小さくため息をついて、カットされた桃を取りだす。


ひとりで食べる朝ご飯は、いつ以来だろう。


ほぼ毎日お母さんと朝ご飯を食べてるから、いつかなんて覚えてない。


無言で桃をパクパク食べる。


桃が乗っていた皿が空になるのに、そう時間はかからなかった。


皿とフォークを洗い、自室からカバンとリュックを持ってくる。


歯磨きする時間はない。


というより、沙織を待たせられない。


せっかく沙織が家まで来てくれたから。


「お待たせ」


「それじゃあ、学校に行こっか」


「うん」


いまだに玄関の近くに立っているお母さんに声をかけ、家を出た。
< 191 / 334 >

この作品をシェア

pagetop