アブナイ王子様たち
心の中でそう決意した直後、近くから深いため息が聞こえた。


誰のものかは言うまでもない。


「……はぁ、仕方ないな。


愛海ちゃんがいないならあきらめよう」


悟さんがあきらめたような言葉を口にする。


その十数秒後、ドアが開く音がして、ふたつの足音が遠ざかっていった。


ほっ……。


どうやら、私がここにいることに気づいていなかったみたい。


安堵の息を漏らし、体にくるんでいたタオルを勢いよく放り投げた。


「ふぅ、暑かった……」


汗を手の甲でぬぐい、もう片方の手をうちわのようにあおいだ。


もうちょっとだけタオルの中に入っていたら、もっと汗をかいていただろう。


危ない、危ない。
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