アブナイ王子様たち
な、なんか嫌な予感がする……。


「あっ、もしかして、俺とあんたが恋人同士だと思われるのが嫌なの?」


ち、違ーう!


そんな理由で立ち止まったわけじゃないよ!


まぁ、大学内の人たちに、私たちが恋人同士だと勘違いされるのは嫌だけど。


その気持ちは間違ってないけど。


「そ、そうですけど、私が立ち止まった理由は違いますよ」


「じゃあ、なに?」


「え、えーっとぉ……」


翔さんからゆっくり視線をそらす。


お腹が空いたから立ち止まったなんて、翔さんに言えない。


視線をそらす直前に見た、翔さんの顔。


獲物を狙う獣みたいに怖かった。


今も、怖い顔をしているのだろう。
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