アブナイ王子様たち
そう言いたいけど、動揺とドキドキが混ざったせいで、口をパクパクと動かすことしかできない。


私の表情に、その男の人と翔さんは、気づいていない。


私を無視して、会話している。


「こ、恋人同士……⁉︎


あ、我妻くんとこの子が……⁉︎」


「はい。


なにか文句あります?」


「い、いや、ないけど……本当に恋人同士?」


「本当ですよ。


俺が嘘を言うと思います?」


いや、絶対に嘘だ‼︎


翔さんは平気で嘘をつく人なんですよ!


「そ、そこまでは言ってないよ。


ただ我妻くんとこの子の関係を知りたかっただけだから……」


しどろもどろになるその人。


当たり前だ。


真剣な顔をしている翔さんに見つめられたら、しどろもどろになっちゃうだろうから。
< 170 / 642 >

この作品をシェア

pagetop