アブナイ王子様たち
「……なぁ、好きな人いないの?」


「へ……?」


なにいきなり。


やっとで口を開けたと思ったら、そんな質問?


「い、いないよ……?」


おそるおそるといった様子でそう答える。


薫くんなら『ふーん』と、興味のなさそうな返事を返してくるのかな。


そう思いきや。


「そう、ならよかった」


えっ?


よかった……?


どういうこと?


「い、今のはどういう……」


「俺、あんたが好きだよ」


「へ……」


薫くんが、私を好き……?


「だから、あんたも俺を好きになって……」


その言葉が頭の中で再生された直後、唇になにかが触れた。


気持ちのいい感触。


だけど、感じたことのある感触だ。


この感触って……いったいなに?
< 212 / 642 >

この作品をシェア

pagetop