アブナイ王子様たち
よ、よかった……。


そう安堵したのもつかの間。


チクッ。


「んっ……!」


首になにかが触れたような感触がして、一瞬だけ痛みが襲ってきた。


ふぅ、という息が聞こえてくる。


そのとき私は顔を背けていたので、なにがあったのかわからない。


たしかめることもできない。


なんとなく答えを知りたくなかったから。


と、突然。


「眠い……」


えっ?


正面に顔を向けると、薫くんが眠そうな顔でこちらに近づいてきた。


うわー!


こっちに倒れ込んでくる!


そう思い、慌ててソファから降りた。


その直後に薫くんがソファに倒れ、寝息を立てはじめた。


頬を赤く染めたまま。


薫くん、寝ちゃった……。


悟さんに報告しにいこう。
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